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経済損失2兆円??? 中国の訪日自粛で見えてきた 本当に必要な観光立国のかたち

中国人でごったがえす日本の空港

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経済損失2兆円超という数字だけ見れば、確かに大きな打撃に思える。

中国外務省が訪日自粛を呼びかけたというニュースを見て、わたしが真っ先に感じたのは「これは日本を見つめ直す絶好の機会ではないか」ということだった。

高市首相の台湾有事に関する答弁への対抗措置として出されたこの措置、メディアは「日本経済への打撃」ばかりを報じているけれど、本当にそうだろうか。むしろ、いま日本が抱えている観光の歪みを正すチャンスなのではないだろうか。

オーバーツーリズムという名の悲鳴

京都の住民が観光客に押しつぶされそうになっている現実を、わたしたちはどれだけ真剣に受け止めてきただろう。朝の通勤バスに乗れない地元の人々、ゴミのポイ捨てで荒れる住宅街、騒音に悩まされる夜の静寂。

観光収入という甘い蜜の裏側で、そこに暮らす人々の生活が犠牲になっていた事実から、わたしたちは目を背けてきたのだ。

年間922万人もの中国人観光客が訪れる現状は、確かに数字上は魅力的に映る。でも、この数字の影には無許可の民泊、白タク行為、そして地域住民の我慢という代償があったことを忘れてはならない。

特に大阪や東京では、中国人観光客向けの違法民泊が横行し、マンションの住民が安眠を妨げられるケースが後を絶たなかった。近隣住民の苦情も、観光収入という大義名分の前では軽視されがちだったのである。

今回の訪日自粛で25%減少すると仮定された場合、確かにインバウンド消費は2兆2,124億円減るという。だが、ちょっと待ってほしい。その2兆円という数字は、本当に日本経済全体を潤していたのだろうか。

違法民泊の収益は税金も払わず、地下経済に消えていく。白タクの売上も同様だ。適正な納税を伴わない経済活動が生み出す数字に、どれほどの意味があるというのか。

質の高い観光へ転換する好機

この機会こそオーバーツーリズムの実態を調査する絶好のチャンスなのだ。中国人観光客が減った分、他の国からの観光客が予約を取りやすくなる。これまで中国の団体客に押されて日本旅行を諦めていた欧米やアジアの富裕層が、ゆったりと日本を楽しめるようになるかもしれない。

わたしが注目しているのは、観光の「質」への転換である。大量の団体客を受け入れて薄利多売するビジネスモデルから、少数でも客単価の高い観光へとシフトする。

これこそが持続可能な観光立国の姿ではないだろうか。フランスやイタリアなど、ヨーロッパの観光先進国が実践している戦略だ。

違法民泊が淘汰されれば、きちんと許可を取って営業している旅館やホテルが息を吹き返す。白タクが減れば、正規のタクシー運転手が適正な収入を得られる。これは決して経済の縮小ではない。健全な経済活動への回帰なのである。

訪日外国人の消費行動は「モノ消費」から「コト消費」へと変化している。爆買いの時代は終わり、いまは体験や文化に価値を見出す旅行者が増えているのだ。であれば、なおさら大量の観光客を詰め込むより、一人ひとりに丁寧なサービスを提供する方向へ舵を切るべきだろう。

空港や新幹線の混雑緩和も見逃せないメリットだ。わたしたち日本人が、自国の交通インフラを快適に使えないという状況は、どう考えてもおかしい。観光客のために日本人が我慢する構図は、本末転倒と言わざるを得ない。

中国との関係が中長期的に安定することは考えにくい。地政学的リスクを考えれば、中国人観光客に過度に依存した観光戦略は極めて脆弱だ。今回のような事態は、これからも繰り返し起こり得る。だからこそ、いまのうちに観光客の多国籍化を進め、リスクを分散させる必要があるのである。

2兆円の経済損失という数字に惑わされず、長期的な視点で日本の観光産業を見つめ直すとき。地域住民の暮らしを守り、環境を保全し、質の高いサービスを提供できる持続可能な観光立国へと生まれ変わる。

その第一歩として、わたしは今回の事態を前向きに捉えたい。ピンチはチャンス、この言葉が今ほど当てはまる状況はないだろう。

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