
これほど有権者をバカにした発言があるだろうか。
中道改革連合の野田佳彦共同代表が25日のフジテレビ討論番組で口にした言葉に愕然とした。
米軍普天間飛行場の辺野古移設について党としての方針を示せないというのだ。
「早急に、選挙が終わった後に結論を出したい」
耳を疑った。
衆院選は27日公示、2月8日投開票である。
いま、まさに有権者が投票先を決めようとしているこの瞬間に、重要政策の立場を明らかにしないとは一体どういうことなのか。
選挙前に示せない政策など公約と呼べない
辺野古移設問題は、沖縄の基地負担、日米同盟の信頼性、地域の安全保障に直結する極めて重大なテーマである。
有権者の中には、この問題への姿勢で投票先を決める人も少なくない。
にもかかわらず、野田氏は「立民と公明の政調会長間で整合性を協議してきたが、衆院解散には間に合わなかった」と釈明した。
間に合わなかった?
それは党内調整の問題であって、有権者には何の関係もない話だ。
中道改革連合は、立憲民主党と公明党という水と油のような政党が合流して誕生した。
立民は辺野古移設に反対、公明は移設支持。
まるで正反対の主張を抱えたまま、新党として選挙に臨もうとしている。
これでは有権者は何を信じて投票すればよいのか。
賛成なのか反対なのか、それすら分からない政党に一票を投じろというのは、あまりにも乱暴ではないか。
高市早苗首相が「新しい政党がどうなのかはっきりしていただかないと、日米同盟の信頼に関わる」と迫ったのは当然のことだ。
同盟国アメリカとの約束事に関わる問題を、選挙が終わるまで曖昧にしておくなど
国際社会から見ればとても信頼できる政党とは言えまい。
「選挙後に決める」は有権者への背信行為
野田氏のこの姿勢には、深刻な問題がある。
それは民主主義の根幹を揺るがしかねないものだ。
選挙とは、政党や候補者が掲げる政策を見て、有権者が判断を下す場である。
重要政策を隠したまま票だけ集め、当選してから方針を決めるというのでは、白紙委任状を渡せと言っているに等しい。
しかも辺野古移設は、何年も議論が続いてきた問題だ。
突然浮上した新しい課題ではない。
野田氏自身、かつて民主党政権時代に首相を務めた経験がある。
沖縄の基地問題がどれほど重く、どれほど繊細な問題か、誰よりも分かっているはずだ。
それなのに「選挙後に結論を出す」とは、いったい何を考えているのか。
政治家としての誠実さが問われる、そう言わざるを得ない。
興味深いのは、同じ番組での安全保障に関するやり取りだ。
高市首相が安保3文書の改定について「日本国の意思に基づいて作る」と明言し
トランプ米政権の国家安保戦略と「全く整合する必要はない」と主権国家としての姿勢を示した。
これに対し野田氏は「同盟国だったら整合的であるべきで、事前によく協議すべきだった」と述べている。
アメリカとの整合性を重視する発言をしながら、肝心の辺野古移設では党内すらまとめられない。
この矛盾に、野田氏は気づいているのだろうか。
わたしは特定の政党を支持しているわけではない。
だからこそ言いたい。
選挙という民主主義の根幹において、有権者に対して誠実であることは、与野党問わず政治家の最低限の責務である。
政策を曖昧にしたまま選挙に勝とうとする姿勢は、ずるいとしか言いようがない。
立民と公明で意見が違うなら、違うままでいい。
「党内に両論あり、選挙後に議論して決定する」と正直に伝えればよいではないか。
それすらできず、問題を先送りにする態度。
有権者はそこに、この新党の本質を見るだろう。
票を投じる前に、政策を知る権利がわたしたちにはある。
その当たり前の権利を軽んじる政治家を、果たして信頼できるだろうか。
答えは明らかだと、わたしは感じている。




コメント