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自民・維新・参政は「こわい日本」? 選挙報道の公平性なしにMBS毎日放送社長謝罪「非常に不適切」

MBS虫明洋一社長

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公共の電波で特定の政党を「こわい」とラベリングする。

それが許されると本気で思っていたのだろうか。

1月22日、毎日放送の情報番組「よんチャンTV」で信じがたい光景が映し出された。

衆院選を前にした政党紹介のコーナーで自民党・日本維新の会・参政党を「強くてこわい日本」中道改革連合・国民民主党・共産党・れいわ新選組を「優しくて穏やかな日本」と分類したフリップが堂々と掲げられたのである。

政策の中身ではなくイメージで政党を二分する。

しかも片方には明らかにネガティブな印象を与える「こわい」という言葉。これを見た視聴者が困惑し怒りを覚えるのは当然のことだった。

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「手ごわい」と「こわい」は別物である

放送直後からSNSは炎上状態となった。維新の藤田文武共同代表は「こわい日本って。なんですかこれは」と即座に反応。

参政党の神谷宗幣代表も「謝罪して済む話ではない」と怒りをあらわにした。

番組は当日の終了間際に謝罪し翌日には解説を担当したジャーナリストの武田一顕氏が出演して釈明を行った。

武田氏によれば、「こわい」とは「周辺諸国、とりわけ中国やロシア・北朝鮮から見て手ごわく簡単にはあなどれない日本」という意味だったという。

ちょっと待ってほしい。

「手ごわい」と「こわい」では日本語としてまったく意味が異なる。

「手ごわい」は敬意を含んだ表現だが「こわい」は恐怖や忌避の感情を呼び起こす言葉だ。

政治報道において、この違いを無視することがどれほど重大か、報道に携わる人間ならわかっていないはずがない。

さらに気になるのは色使いだ。「穏やか」側は青、「こわい」側はオレンジ。青は冷静さや信頼をオレンジは警戒や危険を連想させる。

視覚的にも「どちらが良い選択か」を刷り込もうとしていたように見える。これを印象操作と呼ばずして何と呼ぶのか。

放送法が求める公平性はどこへ

放送法第4条は、放送事業者に対して「政治的に公平であること」を求めている。選挙報道においては、この原則がとりわけ重要になることは言うまでもない。

だが今回の放送は、特定の政党群に「こわい」というレッテルを貼り、もう一方を「優しくて穏やか」と持ち上げるという、あからさまな価値判断を視聴者に押し付けるものだった。「有権者の判断軸」として提示されたこの分類が投票行動にどのような影響を与えうるか。

想像するだけでぞっとする。

興味深いのは共産党やれいわ新選組が「穏やか」側に分類されていた点である。

国会での振る舞いを少しでも知っている人なら、この分類には首をかしげるだろう。防衛力強化や憲法改正を主張する政党を「こわい」と表現し

それに反対する勢力を「穏やか」とするのは、政策議論ではなく感情誘導に近い。

1月29日、毎日放送の虫明洋一社長は記者会見で「非常に不適切だった」と謝罪した。放送から1週間で約800件の抗議が寄せられたという。社長は「モニター画面を作る際に前提を省略するなど丁寧さを欠いたまとめ方になっていた」と経緯を説明した。

しかしこれは本当に「丁寧さを欠いた」だけの問題なのだろうか。わたしにはそうは思えない。

そもそも「こわい」という表現がフリップに載る前に誰もおかしいと思わなかったのか。

放送前のチェック体制はどうなっていたのか。武田氏の意図を「正しく聞き取れなかった」という釈明もプロの報道機関として情けない言い訳である。

テレビ離れが叫ばれて久しい。若い世代を中心に多くの人がネットやSNSで情報を得るようになった。

それでもなおテレビの影響力は無視できない。特に選挙報道においては投票先を決めかねている有権者に大きな影響を与える可能性がある。

だからこそ放送の公平性は守られなければならない。

1993年の「椿事件」では、テレビ朝日の報道局長が「反自民の連立政権を成立させる手助けになる報道をしよう」と発言し大問題となった。

あれから30年以上が経つがテレビ報道の体質は本当に変わったのだろうか。

今回の件は単なる表現ミスでは片付けられない。

公共の電波を預かる者としての自覚と責任。それが厳しく問われている。

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