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音楽に国境はないはずなのに ジョージ・グラス駐日米国大使の励ましが照らす日中の暗い現実

習近平のアホ

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歌が止められた瞬間、わたしたちは何を失ったのだろう。

11月28日、上海で開催されていた「バンダイナムコフェスティバル2025」。『ONE PIECE』の主題歌で知られる大槻マキさんが歌っている最中、突然照明が消え、音声が遮断された。呆然とする彼女をスタッフが促し、ステージから退場させる映像がSNSで拡散されている。予定されていた他のアーティストたちの出演も、すべて中止に。

文化交流が政治の犠牲になるとき

この事態の発端は、高市早苗首相が11月7日の国会答弁で台湾有事について「存立危機事態になり得る」と述べたことだ。中国政府はこれに強く反発し、日本への渡航自粛を呼びかけた。その結果、浜崎あゆみさん、ゆず、JO1、花譜さん、ももいろクローバーZなど、多くの日本人アーティストの中国公演が次々と中止になっている。

政治と文化は別物だと、わたしたちは考えてきた。音楽や芸術は国境を越えて人々の心をつなぐものだと信じてきた。けれども、いま目の前で起きているのは、その信念が通用しない現実なのだ。アーティストたちは政治的な思惑とは無関係に、ただ自分の音楽を届けたいだけ。それなのに、政府の判断ひとつで舞台から引きずり降ろされる。

ファンも同じである。上海の会場で大槻さんのパフォーマンスを楽しみにしていた人々は、政治とは関係なく音楽を愛しているだけだろう。そういう人々の期待が、政治的な対立によって無残に踏みにじられた。

米国大使からのメッセージが示すもの

この事態を受けて、ジョージ・グラス駐日米国大使がXに投稿したメッセージが胸を打つ。「音楽の力を感じられない人がいるなんて、本当に残念でなりません」と記し、大槻さんと出演予定だった全アーティストにジャーニーの名曲『Don't Stop Believin'』を捧げた。信念を貫いてほしいという励ましのメッセージだ。

外交官である大使が、こうして明確にアーティストを支持する姿勢を示したことには大きな意味がある。日本国内では、高市首相の発言を引き出した野党を批判する声もあれば、首相の外交感覚を疑問視する声もある。けれども、文化人や表現者が政治の道具にされることへの懸念は、政治的立場を超えて共有されるべきものではないだろうか。

大使のメッセージは、政治的な対立がエスカレートするなかでも、文化や芸術の価値を守ろうとする姿勢の表明だ。それは同時に、いまの日中関係の冷え込みが、どれほど深刻な状況にあるかを物語っている。

日本のメディアは、この一連の出来事をどこまで詳しく報じているだろうか。大槻さんが歌唱中に強制退場させられた映像は衝撃的だったにもかかわらず、大きく取り上げられているとは言いがたい。中国での日本人アーティストの公演中止が相次いでいる事実も、一部の報道を除けば十分に伝わっていない気がする。

高市首相の台湾有事発言については賛否が分かれるだろう。国の安全保障は重要だし、政府が国民を守るために備えを示すことも必要だ。ただ、その結果として文化交流が断絶され、アーティストたちが犠牲になる事態は避けられなかったのか。外交における「曖昧さ」の重要性を、わたしたちはもっと考えるべきなのかもしれない。

音楽は、本来なら政治を超えて響くはず。けれども現実は、政治の力が音楽を沈黙させてしまう。グラス大使の「Don't Stop Believin'」というメッセージが、これほど切実に響く時代が来るとは。わたしたちに何ができるのだろう。せめて、この出来事を忘れないことから始めたい。

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