
立憲民主党と公明党の新党結成騒動を見て本当に複雑な気持ちになった。
1月15日、立憲の野田佳彦代表と公明の斉藤鉄夫代表が新党「中道改革連合」の結成で合意した。
高市早苗総理が衆院解散を表明したことを受けて、野党が慌てて選挙協力を模索した結果がこれである。
小選挙区では立憲候補を公明が支え、比例では公明候補を上位にするという、いかにも選挙目当ての連携だ。
この動きに対して、立憲民主党の原口一博衆院議員が激しい批判を展開している。
「誇りも政策も支持者も捨てて」「人間のクズに成り下がる」という強烈な言葉で新党結成を批判し、「立憲消滅」というハッシュタグまで添えた。
石垣島での公務中に、党の存亡に関わる重要会議が開かれたことにも憤りを示している。
政治家として信念を貫く姿勢を、わたしは評価したい。
選挙互助会と化した新党の矛盾
中道改革連合という名前を聞いて、わたしは首を傾げざるを得ない。立憲民主党と公明党では、安全保障政策やエネルギー政策において根本的な違いがあるからだ。
立憲は従来、安全保障法制の違憲部分廃止を掲げてきた。一方の公明党は、自民党と26年間も連立を組み、安保法制を推進してきた張本人である。この2つの党が「中道」という曖昧な看板の下で手を組む。政策の整合性はどこへ行ったのだろうか。
自民党の鈴木俊一幹事長が「選挙互助会のような組織」と批判したのも、わたしには納得できる指摘だった。
原口議員が指摘するように、2017年の希望の党騒動の再来ではないのか。あの時も民進党は、小池百合子都知事率いる希望の党への合流を急ぎ、結果的に「排除の論理」によって分裂した。立憲民主党という党は、まさにあの混乱の中から生まれたはずだ。
それなのにきょう、同じ過ちを繰り返そうとしている。野田代表は「排除の論理は取らない」と言うが、原口議員には20日までに離党届を提出するよう事務方から通告があったという。これは実質的な排除ではないのか。
支持者はどう感じているだろう。政策や理念ではなく、選挙での勝ち負けだけを考えた合従連衡。わたしたち有権者を、完全にバカにしている。
原口議員が示す政治家の矜持
原口一博議員は、新党に参加せず「ゆうこく連合」という政治団体を政党化する意向を示した。1月20日の立ち上げを目指し、30人から50人規模の結集を呼びかけているそうだ。
反グローバリズム、反ワクチンなどの政策を掲げるゆうこく連合。賛否はあるかもしれない。しかしわたしは、原口議員の行動に政治家としての誠実さを見る。
「高市政権とは対峙しないのでしょう? それなら最初から高市内閣を支える方に回ったらいいではないですか」という原口議員の批判は、まさに核心を突いている。中道改革連合は、高市政権への対抗軸として結成されたはずだ。ところが公明党の斉藤代表は「自民党と連携しながら政策を進めることもあり得る」と述べている。
これでは一体、何のための新党なのかわからない。
立憲民主党の衆院議員148人全員が新党に参加するとは限らない。原口議員以外にも、党執行部の独断専行に反発する声が出ている。「野田代表および一部執行部の私党ではありません」という批判も見られた。
組織のトップが、構成員の声を聞かずに重要な決定を下す。民主主義を標榜する政党として、あまりにもお粗末ではないか。
原口議員は「立憲の衆議院議員、そして候補予定者には、目を覚ましてほしい」と呼びかけている。今度の総選挙で戦う前から結果が出ている、という指摘も的を射ている。
政治家には、支持者との約束を守る責任がある。選挙に勝つためなら何でもする、という姿勢では、有権者の信頼は得られないだろう。
原口議員が示している道は、決して楽なものではない。新党を立ち上げ、一から支持を集めるのは困難を極める。それでも信念を曲げない姿勢に、わたしは敬意を表したい。
政治家の仕事は、選挙に勝つことだけではない。国民のために、自分が正しいと信じる政策を実現することだ。
そのためには時に、所属政党と決別する覚悟も必要になる。
原口議員の行動が、日本の政治に一石を投じることを期待している。

